はじめに

一般社団法人THIRD PLACE DAZAIFU 代表理事の轟あかねと申します。

福岡県太宰府市を拠点として、私・小島ひとみ・楠田あやみの3名で活動している、設立されたばかりの法人です。

「自分が関わる何かで、誰かの幸せの役に立ちたい」

このような思いを3人それぞれ持ちながらも、子育てや本業に追われ、実現できていませんでした。

そんな私たちがひょんなことから出会い、お互いの現状や思いを語り合う中で改めてそれぞれが持っている志を再確認し、実現できなかったことを形にしようと、一般社団法人THIRD PLACE DAZAIFUを設立するに至りました。

私たちが目指したいものは、

「子育て世代の輝く人たちの力でこの先の未来を明るいものにしたい」　

です。

子育てに追われて仕事ができない…。

子育てが一段落して、何か新しいことを始めたい…。

何かに貢献したい…。

そんな人たちが気軽に集える、自宅・職場以外の第三の居場所「サードプレイス」を作りたいと考えています。

サードプレイス とは

「サードプレイス 」聞き慣れない言葉かと思いますが、アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグ氏が1989年に提唱した言葉で、「自宅でも職場でもない、とびきり居心地のいい居場所」という意味を持ちます。

自助・共助をベースとした、子育て世代の人が輝き続けられるための支援と、とびきり居心地の良い居場所の確立を、本気の本気で取り組んで行きたいと思っています。

しかし、できたばかりの法人で資金も実績もありません。最初は何からどう手をつけていいのか具現化できていませんでした。一方で設立のための煩雑な手続きや準備に追われ、日々焦りを感じていました。また、活動するための公的な援助は実績が求められることから、早くも色々な壁を感じているのが実情です。

まずは拠点を構えなくてもできる活動を始めたい。

そう思っていたときに、今回のクラウドファンディングにつながる、ある出来事がありました。

視覚障害を持つ友人を襲ったコロナショック

ここで私の友人の紹介をさせて下さい。

彼女の名は 山口ようこ ちゃん

生まれつき目の不自由なシングルマザーで、マッサージ師をしています。

完全に見えないというわけではなく、目の前20センチくらいのところまで顔を近づければなんとなく誰かわかる感じです。

彼女にはお母さまがいらっしゃって、お母さまも生まれつき目が不自由。

そしてようこちゃんの一人娘は目が見える元気な小学1年生。

彼女は一家の大黒柱として、お母さまと娘さんの３人で暮らしています。

波乱な人生にも関わらず、彼女はいつも元気で愛嬌があり、仕事も丁寧で真剣に取り組みます。そして誰に対しても優しく接することができる太陽のような子で、私はいつも元気をもらっています。

そんな彼女ですが、コロナの影響で仕事が激減してしまい、彼女から少しずつ笑顔がなくなっていきました。

某企業にマッサージ師として嘱託勤務をしていますが、社員がほとんどテレワークとなり、マッサージを受けに来る社員が少なくなったためです。

特に昨年の非常事態宣言期間中は自宅待機を指示され、休業補償はあるとはいえ、一家を養わなければならない立場の彼女は不安な日々を過ごしていました。

幸い、今は勤務ができているようですが、やはりマッサージを受けに来る人が少なく、自分の待遇がどうなるのか分からない不安定な現状に思い悩んでいます。

「ようこちゃんに何か支援できないかな。」

そんなことをぼんやりと考えつつ、娘に絵本を読んであげていたその時。

「おさがりだけど、あかねちゃんの娘ちゃんにどうぞ」と、彼女からもらっていた「はらぺこあおむし」の絵本が目に留まりました。

点字絵本

その絵本は、彼女が自分の娘に読み聞かせをしてあげるため、手作りの点字が貼ってある絵本でした。

「…彼女の点訳スキルをいかしてあげられないかな？」

そう思ったとき、今回の活動につながるアイデアが湧き上がりました。

「彼女に点字絵本を作ってもらって、目が不自由な人にプレゼントする活動をこの法人でやってみてはどうだろう。」

「ようこちゃんには仕事としてこの作業に携わってもらうのはどうだろうか。」

それができるとようこちゃんに笑顔が戻るのではないかと思い、いてもたってもいられず、すぐに法人仲間のひとみとあやみに相談。

「いいね！やろうよ！！」と、すぐに賛同してくれました。

点字絵本　×    視覚障害者支援

THIRD PLACE DAZAIFUの最初の活動として、

『点訳絵本を１００冊作って

　全国の目が不自由なママパパに届ける活動』　

を行うことにしました。

点字、皆さんも至るところで目にする機会はあるかと思いますが、点字の本を見る機会はなかなかないかと思います。

点字本として出版される本はごくわずかです。特に点字絵本についてはほぼ販売されていませんので、数少ない点訳ボランティアの方や視覚障害者自身が手作業で点字起こしや貼りつけを行い、点字絵本を作っているのです。

https://youtu.be/wGzBMtvvGm4

点字は透明なプラシートと針を用いて、一文字一文字作られます。

手間暇かけて作られる一冊の点字絵本。

ようこちゃんからもらった「はらぺこあおむし」の点字絵本は、破れもなくきれいな状態で、きっと大切に扱いながら、何度も何度も点字をなぞって娘さんに読み聞かせをしてあげていたんだと思います。

点訳して届けたい絵本

今回、目の不自由なママパパからお子さんへ読み聞かせてほしいと思った絵本は２つです。

えんとつ町のプペル（幻冬社）

チャドとクラークのぼうけん島（梓書院）

「えんとつ町のプペル」は、ゴミ人間のプペルとえんとつ掃除屋のルビッチの交流を通して信じ抜くことの大切さを描いた絵本、「チャドとクラークのぼうけん島」は、孤独な猿のチャドとちょっぴり世間知らずな犬クラークが冒険をしながら多様性・自立・友情の大切さを伝えている絵本です。

えんとつ町のプペルを選んだ理由は、イラストやストーリーの素晴らしさはもちろんのこと、作者のキングコング西野さんの「この絵本を1人でも多くの子供たちに知ってもらいたい、届けたい。」というメッセージに共感し、少しでもお手伝いができればと思ったからです。

チャドクラも同じくイラスト、ストーリーが素晴らしく、地元福岡で生まれた絵本をもっと知ってもらいたいと思ったからです。ちなみに、著者・イラストレーター・絵本作家・出版社とすべてに地元福岡が関わっています。また、過去にアニメ化映画化もされた絵本なんです。

この２冊の絵本それぞれ100冊点訳絵本にし、プペル&チャドクラ100セットを目の不自由なママパパに届けたいと思っています。

西野さんも応援してくれている

実は今回の活動を行うにあたり、作者であるキングコング西野さんからえんとつ町のプペル絵本を100冊、無償提供して頂きました！

まさかの温かいご支援に言葉にならない思いが込み上げてきました。

西野さん、ありがとうございます。

この場を借りてお礼申し上げます。

西野さんの思いものせたこの活動、必ず成功させます。

そしてこの福岡から、全国に支援の輪を広げていきたいと思います！

資金の使い方

皆様から頂いたご支援は以下の用途に使わせて頂きます。

目標を大きく上まわる支援が集まった場合は今回のプロジェクトに則した資金活用をさせて頂きます。

・点字起こし作業代...50万円

・チャドクラ絵本購入代...20万円

・点字シート購入代...10万円

・手数料...達成金額の15%

※残りはリターン品の準備金ならびに当法人の運営資金に充てさせて頂きます

実現までの道のり

2月 上旬　　　クラファンスタート

　　　　　　　点字絵本受贈希望者募集

　　　　　　　※FB等で募集/原則視覚障害者又は公益団体・npo法人などへ寄贈

2月20日            クラファン終了

2月25日　　　点字作業開始

2月27日〜　　絵本へ点字貼り付け作業開始

3月1日〜　　　全国の視覚障害者等へ絵本発送開始

　　　　　　　クラファンリターン開始

※絵本は出来上がり次第順次発送

※月に15〜20セット作成目標

※9月末までに本プロジェクト終了予定

おわりに

私がようこちゃんと出会っていなければ、この活動は始まりませんでした。

今のメンバーとも出会っていなければ、そして私に娘がいなければ、この活動は生まれていませんでした。

ひとつひとつの出来事が重なり合った今回のプロジェクトは、単なる偶然ではなく、何かの導きがあったからではないかと思います。

本クラウドファンディングで支援していただくことがゴールではなく、そこでやっとスタート地点に立つことができます。

絵本を最後の一冊まで届け切った先に、私たちが思い描いている「明るい未来」が今より少しでも感じられると信じて活動を進めて参ります。

どうぞ最後まで応援よろしくお願いいたします！